User Manual

11 Ja
1988 年、ヤマハは独自の YST(YamahaActiveServoTechnology) 方式により良質でパワフルな低音域の再生を
可能にするスピ−カーシステムを世に送り出しました。この方式はアンプとスピーカーをダイレクトに近い状態で電気
的に接続することでアンプの動作を正確にスピ−カーに伝え、かつスピ−カーの動作をコントロ−ルできます。
この技術は、アンプの負性駆動によりコントロールさ
れたスピーカーユニット、そしてスピーカーキャビ
ネットの容積とポートとの間で起こる空気共振を利用
したもので、通常のバスレフ方式のスピーカーユニッ
トよりも大きな共振エネルギー(エアウーファー)を
生じさせるため、従来小さなキャビネットでは再生で
きなかったような低音が再生可能になりました。
ヤマハが新たに開発した AdvancedYST Ⅱは、従来
YST に数々の改良を加え、アンプとスピーカーの
駆動をより理想的にコントロールするものです。アン
プ側から見たスピーカーのインピーダンスは、周波数
に応じて複雑に変動します。そこで、従来の負性駆動
に定電流駆動を併用する新設計回路を開発しました。
この回路の採用により、従来の AdvancedYST にく
らべ動作がより安定し、濁りのないクリアな低音再生
が可能になりました。
今日のバスレフスピーカーには、ヘルムホルツ共鳴を利用し低音再生能力を
向上させる方式が用いられています。
しかしながら、このヘルムホルツ共鳴する周波数付近の低音再生時にはポー
トを通してスピーカーの内部と外部の空気が激しく出入りするため、ポート
端部では空気の流れが乱れ、ノイズが発生する場合があります。
ポート、キャビネットはその寸法や形状によって決まった周波数で共鳴を起
こします。
一方でポート端部の空気の流れの乱れは入力信号に含まれない広帯域の周波
数成分が含まれます。
この広帯域の周波数成分の中でポート、キャビネット
の共鳴周波数に一致した成分がそれらの音響共鳴を強
く引き起こすため、このノイズが生じます。
ヤマハが開発した TwistedFlarePort は、ポート端
に向かって広がり方を変え、更に「ひねり」を加える
ことでポート両端で生じる空気の流れの乱れを抑えて
ノイズの発生を防ぎます。
これにより、従来バスレフスピーカーの印象として言
われていた、「濁った音」「風切り音がする」などの現
象が大幅に減少し、クリアな低音の再生が可能となり
ました。
ADVANCED
アドバンスド
YAMAHA
ヤマハ
ACTIVE
アクティブ
SERVO
サーボ
TECHNOLOGY
テクノロジー
Ⅱ
Twisted
ツイステッド
Flare
フレア
Port
ポート
重低音大振幅
ポート
キャビネット
新設計インピーダンス駆動
(パワードライブ)
アクティブ
サーボ
プロセッシング
アンプ
(耳には聴こえない)超低域の小振幅
エアーウーファー
(ヘルムホルツレゾネーター
低音
(振動板から耳
に聴こえる音
圧として放射)
ツイステッドフレアポート
空気の乱れが発生
乱れが解消され、
空気がスムーズに
流れる
一般的なポート
ノイズの原因となる、ポート端部の空気の乱れ