User Manual

接続
取扱説明書
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接続
ネットワーク接続について
Dante ついて
このモデルは、オーディオ信号を伝送するプロトコルとし
Dante を採用しています。Dante とは、Audinate
が開発したプロトコルで、ギガビットイーサネット対応の
ネットワーク環境で、サンプリング周波数 / ビットレート
が違う複数のオーディオ信号や、機器のコントロール信号
を同時に扱える特長を持っています。そのほか、下記のよ
うなメリットがあります。
理論上はギガビットイーサネット環境で最大 512 イン
/512 アウトで合計 1024 チャンネルの音声を伝送可
能。(QL シリーズでは、24/32 ビットの解像度で QL5
64 イン /64 アウト、QL1 32 イン /32 アウト
を実現しています。
ネットワーク内の機器を自動的に検出設定。機器名も
自由に設定可能。
高精度のネットワークシンクロ技術の採用により、低レ
イテンシー、低ジッター、高サンプル精度を実現。このモ
デルでは、レイテンシーは 0.25msec/0.5msec/
1.0msec/2.0msec/5.0msec 5 タイプから選択
可能。
プライマリー回線とセカンダリー回線による、万が一の
障害に強いリダンダント接続に対応。
イーサネットでコンピューターと接続し、オーディオイ
ンターフェース機器なしで音声の直接入出力が可能。
CAT5e のネットワークケーブルを使用した機器間で最
長約 100m* の長距離伝送が可能。
* ケーブルの種類によって、使用できるケーブルの長さ
は異なります。
Dante の詳細については、Audinate 社のウェブサイトを
ご参照ください。
http://www.audinate.com/
また、ヤマハプロオーディオのウェブサイトにも、Dante
に関するさまざまな情報を掲載しています。
http://www.yamahaproaudio.com/japan/ja/
NOTE
Dante ネットワーク内では、ネットワークスイッチの
EEE 機能 (*) を使用しないでください。
EEE 機能に対応したスイッチ間では、消費電力の相互
設定が自動で調整されますが相互設定の調整が正し
く機能しないスイッチもあります。
これにより、Dante ネットワーク内の不適切な場面で
スイッチの EEE 機能が有効になってしまう可能性が
あり、クロック同期性能が悪化して音声が途切れる場
合があります。
そのため、以下の点にご注意ください。
マネージドスイッチを使う場合、Dante を使用する
すべてのポートの EEE 機能をオフにしてくださ
い。EEE 機能がオフにできないスイッチは使用しな
いでください。
アンマネージドスイッチを使う場合、EEE 機能に対
応したスイッチを使用しないでください。これらの
スイッチは EEE 機能をオフにできません。
*EEE(EnergyEfficientEthernet) 機能とは、ネット
ワークのトラフィックが少ないときにイーサネッ
ト機器の消費電力を減らす技術。グリーンイーサ
ネットや IEEE802.3az とも呼ばれています。
DanteController について
DanteController は、Dante ネットワークの設定とオー
ディオのルーティングをするためのアプリケーションソ
フトです。Dante ネットワーク上の複雑な信号経路を設
定する場合は、DanteController を使います。下記のウェ
ブサイトに情報が掲載されています。
http://www.yamahaproaudio.com/japan/ja/
I/O デバイスとの接続
QL シリーズと I/O デバイス(Rio3224-D など)のセット
アップを、デイジーチェーン接続の場合と、スター接続(リ
ダンダンシーネットワーク)の場合とでそれぞれ説明しま
す。I/O デバイスとの接続は、「Dante ネットワークを設定
する」(→ P. 34)のあとに QL シリーズの電源を切ってか
ら行なってください。
デイジーチェーン接続
デイジーチェーンとは、機器を数珠つなぎにする接続方法
です。ネットワーク構築が簡単で、スイッチングハブも不
要です。接続機器の台数が少ない簡単なシステムのときに
使用します。
接続する機器が多くなるとレイテンシーも大きくする必
要があります。また、ケーブルの断線などによりシステム
に障害が発生すると、ネットワークがそこで分断され、
の先の機器との伝送ができなくなります。