User Manual

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DDK-7 取扱説明書
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オルガンフルート機能とパイプオルガン
オルガンフルート機能は、伝統的なオルガンの構造をシミュレートしています。ここでは
簡単に、パイプオルガンと電気オルガンの仕組みについてご紹介します。
パイプオルガンは、鍵盤を弾くとその鍵盤につながれたパイプに空気が送られて、リード
のついたパイプから、正弦波に近い、「ポー」という縦笛のような音が出ます。素材や形状
の違うパイプがいくつもあり、その一本一本が、音色を構成する倍音を担当するという構
造になっています。これらのパイプにどれだけの空気を送るかを決める、「音栓(ストップ)」
と呼ばれるレバーがあり、この音栓の組み合わせで、クラリネットやオーボエ、フルート
のような音など、さまざまな音色を合成できるのです。このように合成された音は、教会
やホールの全体に反響し、重厚な音の広がりを持って演奏されます。
やがて技術が発達すると、パイプオルガンを電気的に実現した電気オルガンが登場し、小さ
な教会やレストランなどでもパイプオルガンそっくりの演奏が聴けるようになりました。
1930年頃に作られた、最も普及したタイプのものは、今でも世界中で愛されています。
それは、1つの鍵盤が9つの正弦波発信器につながっていて、それぞれの正弦波の信号量、
すなわち音量を、レバーでコントロールするものでした。正弦波発信器が長さの違うパイプ
の役割を、レバーが各パイプに割り当てられる音栓の役割をして、パイプオルガンの機構を
再現しました。オルガンフルート機能は、この電気オルガンと同じ仕組みになっています。
各フッテージレバーに表示されている16'や8'などの数字は、パイプオルガンのパイプの
長さ(=フッテージ)、つまり音の高さを表しています。8'というのは8フィート、4'は
4フィートで、8フィートよりも1オクターブ高い音、16'は16フィートで、8フィートよ
りも1オクターブ低い音が出ます。3度や5度の音が出るものもあり、分数で表されます。
また、電気オルガンは、ロータリースピーカーと呼ばれる回転式のスピーカーを搭載して、
部屋中に音を反射させることで、パイプオルガンの持つ音場の広がりを表現しましたが、
DDK-7にもロータリースピーカーがエフェクトとして設定できるようになっています。
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