User Manual

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DDK-7 取扱説明書
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ピッチとチューニング
オーケストラのように複数の人数で楽曲を演奏するときには、かならず演奏前に「チューニ
ング」と呼ばれる作業を行ないます。たとえば、A (ラの音)を演奏したときに435Hz (ヘル
ツ)の音を出す楽器、440Hzの音を出す楽器、445Hzの音を出す楽器を同時に演奏すると、
不協和音になってしまいます。
こんなことがおこらないように各楽器のピッチをそろえる作業が「チューニング」です。楽
器によって「調律」「調弦」などと呼ばれることもあります。
チューニングの方法は、大きく分けて2通りあります。
1つめは、奏者ひとりひとりが自分の楽器を決められたピッチに合わせる方法。音叉や
チューニングメーターなどを使って正確なピッチに合わせます。ギター合奏などはこの方法
で行なうことが多いでしょう。たとえばロックバンドの場合は、ギタリストとベーシストが
それぞれの楽器を「A=440Hz」に合わせておきます。すると、いっしょに演奏したときに
は同じピッチの音が出せるというわけです。
この楽器をほかの楽器といっしょに演奏する場合は、 214ページのピッチ設定でこの楽器を
相手の楽器に合わせます。もちろん、相手の楽器をこの楽器に合わせても構いません。
もう1つは、演奏者のうち一人だけがあらかじめチューニング(現代のオーケストラでは
442Hzが一般的のようです)をしておいて、他の演奏者がその楽器にあわせてチューニング
をする方法。オーケストラやブラスバンドをはじめ、多くの場合はこの方法でチューニング
を行ないます。ステージ上で一人の奏者が音を出し、それに合わせて奏者全員が同じ音を出
す、という場面を見たことがあるでしょう。この場合、奏者ひとりひとりが自分の耳を頼り
にチューニングすることになるので、必ずしも全員がまったく同じピッチ(A=442Hz)にな
るとは限りません。一般的に、低い音は、人の耳には実際の音よりも高く聞こえるため、
低音楽器は正しいピッチよりも少し低めにしておく方が自然に聞こえ、安定感が出ます。
また、ソロパートを演奏する楽器は、他の楽器に比べてわずかに高いピッチで演奏した方が、
目立ちやすくなります。こういった人の耳の錯覚や、奏者の感性で、ハーモニーが美しく聞
こえる高さを決めているのです。
ひとりでこの楽器を演奏する場合にも、各ボイスセクションのピッチを少しずつずらしてお
くことで、これと同じ効果が得られます。48ページのチューンの設定を変えて、ちょうどい
い設定を探してみましょう。