User Manual

14.付録
87 Viscount Physis オルガン リファレンスマニュアル
これが平均律(12 の部分にコンマを均等に拡散)です。
ピタゴラスコンマは大きな部分で均等に分割され、そしていくつかの五度に分割(12 未満)されます。これをもとにヴェ
ルクマイスターⅢなどのような他の音律が用いられるようになり、CG、GD、DA、および BF# の間に 4 等分のコンマを
拡散させています。
音律の歴史の中で非常に重要な意味を持つ間隔が長三度です。4 つの純正五度のチェーンは(3/2)
4
になります。長三度
5/4 の比で表されます。ピタゴラス五度によって生成された長三度の周波数は、値を丸めると 1,2656 で、一方で純
正長三度は 1,2500 です。この差のことはシントニックコンマと呼ばれています。
4 つの五度の連結により、それぞれのシントニックコンマが 1/4 だけ減少されると、完全長三度になります。これらの五
度のことは「ミーントーン」と呼ばれています。調律で 1 つのみのシントニックコンマを調整しても、まだピタゴラスとシ
ントニックコンマの間の小さな差を補正する必要があります。この差のことは skisma と呼ばれています。
例えば、キルンベルガーII の音律は、シントニックコンマに基づいています。それは DA AE の間、および F# C# の間
skisma に均一にコンマが拡散しています。
3 つの純正長三度が連結されると 5/4
3
の周波数になります。この数値と 1 オクターブの差は異名同音コンマと呼ばれ
ています。
音律がピタゴラスコンマ以上を伴った場合、1 つの五度が他よりも間隔がはるかに広くなり、使用できなくなります。これ
は、ウルフの五度と呼ばれています。
pure:純正五度
ETS12:平均律五度
sc:シントニックコンマ
pc:ピタゴラスコンマ