User Manual
Table Of Contents
- 安全上のご注意
- はじめに
- 取扱説明書について
- 付属品(お確かめください)
- 特長
- 目次
- 各部の名称
- 基本操作
- ボイス(楽器音色)
- オルガンフルート(ELS-02C/ELS-02X)
- コントロールとエフェクト
- リズム/キーボードパーカッション
- レジストレーションメモリー
- ミュージックデータレコーダー(MDR)
- オーディオ
- ボイスエディット
- リズムプログラム
- フットスイッチ/ニーレバー/ エクスプレッションペダル
- トランスポーズ/ピッチ
- 外部機器との接続
- 付録
搭載されている音源について
ELS-02/ELS-02C/ELS-02X取扱説明書
41
ボイス ︵楽器音色︶
2
搭載されている音源について
ELS-02C/ELS-02Xには、AWM(アドバンストウェーブ
メモリー )音源でつくられたボイスと、さらにはVA(バー
チャルアコースティック)音源でつくられたボイスが内蔵さ
れています。
VA音源は、リードボイス2のボイスセクションのボイス用
に採用されており、AWM音源は、それ以外のすべてのボイ
スセクションのボイス用に採用されています。
AWM音源は、実際の楽器の音をサンプリングして、複雑な
波形をデジタルデータとして再現することで、リアルな楽器
音をつくり出します。ここでは特別な操作が必要なスーパー
アーティキュレーションボイスについて説明します。
スーパーアーティキュレーションボイス
スーパーアーティキュレーションボイスは、アコースティッ
ク楽器のリアルなサウンドや奏法を再現する音源技術が使わ
れています。ギターの弦と指が擦れるノイズやハーモニク
ス、エレピの鍵盤アクションノイズまでリアルに再現してい
ます。ジャズの即興で使われる歌唱法で「シュビドゥバ…」
といったスキャット、レガート、ベンド、グリッサンド等の
奏法も、奏者の息使いが感じられるほど自然な演奏表現が可
能です。弾き方や左フットスイッチで、自由な表情付けがで
きます。スーパーアーティキュレーションボイスには、
「S-」で始まるボイス名がつけられています。
スーパーアーティキュレーションボイスの表
情付けの例
ボイスコンディション画面のページ2にあるアーティキュ
レーション(48ページ)の項目を設定することにより、下記
のような表情付けができます。
効果音の例:S-ナイロンギター1(タイプA)
[ART.1]あるいは[ART.2]を選択した状態で、左フットス
イッチを押すと、ギターの胴を叩いたような効果音が鳴りま
す。
ハーモニクスの例:S-スチールギター2(タイプB)
[ART.1]を選択した状態で、左フットスイッチを押しながら
鍵盤を弾くと、ハーモニクス奏法(ピッキング・ハーモニク
ス)のサウンドになります。
スキャットの例:S-シュビドゥバ/Hmm(タイプC)
[ART.1]を選択した状態で、左フットスイッチを押しながら
鍵盤を弾くと、常に「Hmm」の発声に固定されます。左
フットスイッチが押されていないときは、鍵盤を弾くたびに
「シュ」「ビ」「ドゥ」「バ」と発声が切り替わります。
ベンドやグリッサンドの例:S-アルトサックス
(タイプD)
[ART.1]を選択した状態で、左フットスイッチを押しながら
鍵盤を弾くと、ピッチがベンドアップしながら発音します。
[ART.2]を選択した状態で、左フットスイッチを押しながら
鍵盤を弾くと、グリッサンド奏法になります。
[オート]をONにした状態で鍵盤を弾くと、ベンド奏法やグ
リッサンド奏法の効果が自動的にかかります。
AWM音源に対し、VA音源は先に仮想の楽器を本体内に設
計し、その楽器に振動が伝わる様子をシミュレーションする
ことで音をつくり出します。この「仮想の楽器」のことを
「物理モデル」と呼びます。特にこのエレクトーンに用意さ
れているボイスは、サックスやフルートなどの管楽器をはじ
め、ミュージックシーンで使用するさまざまな楽器を物理モ
デルのデータとしてつくり上げたものです。
たとえば、管楽器を例にとると、息の強さや口の締め付け具
合などの音を出すきっかけとなる部分から管の内部に入る空
気の流れを算出し、その後内部での共振を忠実に再現するこ
とで、ナチュラルで表現力豊かなリードボイスを生みだしま
す。
ただし、本物の楽器をシミュレーションしているので、本物
の楽器同様、音域が限られたり楽器コントロールにクセが
あったりなど、演奏上の制約があります。
VA音色使用時のご注意
VA音色はAWM音色とは異なり、自然楽器により近く、ま
た、よりリアルで高い表現力を実現するために、以下のよう
な演奏上の注意点が必要になります。
• 推奨音域(39〜40ページ)以外では音が鳴りにくかった
り、正しい音程が出ないボイスがあります。
• ホリゾンタルタッチやアフタータッチによってピッチや音
色を変化させたときに、滑らかに変化しないボイスがあり
ます。
• リードスライドをかけたときに音程が滑らかに変わらない
ことがあります。
• レガートやトリルで演奏したときに、音が出ないことがあ
ります。
AWM音源
VA音源
共振をシミュレーション音を出すきっかけ
空気の流れを
算出
マウスピース
(リード)
サックスなどの管
フルートなどの管
唇の動き
弓
弦楽器の弦