User Manual
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Y-S3 スピーカシステムデザインガイド
直接音と反射音
3.出力レベルの設定
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では、アンプの種類やゲイン設定、入力レベルなどの設定を変化させながら、受聴点
における想定音圧レベルを計算することができる。この計算結果は、場内で所望の音圧レ
ベルが得られるシステムであるかどうかを評価する際に有効である。ただし、直接音ベー
スの計算においては、受聴点での SPL はスピーカからの距離が増加するに伴い単調減衰す
るが、実際の音場では拡散音の影響により遠方に行くに従ってその減衰率は低下する。
以下では、Y- S
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を用いたレベル設定の例を示し、直接音のみによる計算結果と実際のホー
ルにおける測定結果との距離減衰の比較例を示す。
Y-S
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を用いたレベル設定例
Speaker Property の Config タブで、入力レベルとアンプのアッテネータを設定
し、所望の SPL が得られるようなレベルセッティングを検討する。
最初にスピーカを設置したときや、スピーカ種類を変更したときは、推奨アンプ
が選択され、レベルセッティングはデフォルト値(Input Level が+4.0dBu、
(Attenuator)が-10dB)に設定される。
このとき例えば、ポイント(X=0, Y=11.5)における Overall SPL は 90.7dB とな
る。
図 7:レベル設定(デフォルト時)
ここで、SPL を約 100dB とするために、アンプのアッテネータを-6dB に変更し、
さらに、Input Level を 10dBu まで上げる。すると、Overall SPL は 100.7dB と
なる。
Y-S
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ではこのように、アンプへの入力レベルを変更しながら、同時にアンプのア
ッテネータ設定を変更することで、定格入力時の最大 SPL や、規定レベル入力時
の SPL の目安値などを計算できる。