User Manual

10 11
ステップ2 このボイスはこう使え!
 クラビ系の音はこう使え!!
14世紀頃に発明された鍵盤楽器クラビコードにエレキギター
のピックアップを付けたのがクラビネットという楽器。
1970年代のファンクやソウルで多く使われ、中でもスティー
ヴィー・ワンダーの「迷信(Superstition)」のイントロが有
名。ここでは、これぞクラビ、という音色を紹介しよう。
MOTIF XSを使って歯切れの良いファンキーなリズム・カッ
ティングをマスターして欲しい。
【指先で体感せよ!!】
PRE1:079(E15) PedalWahClaviFC2
VCMのペダルワウがインサートされているクラビボイス。
このボイスのポイントは何といってもキーオフ時のノイズ。
クラビネットは、鍵盤を押すと鍵盤の下に付いているゴムの
チップが金属の弦を叩いて発音する仕組みのため、離鍵時に
はそのゴムが弦から離れ、そのときに「カシャ」といったキー
オフノイズが鳴る。このボイスでは、2つのエレメントを使っ
てこのノイズをリアルに再現している。2つ目のポイントは
VCMエフェクトによって再現されるアナログの質感。この
ボイスには何と3つのVCMエフェクトが使われている。イン
サーションAのVCMペダルワウ、インサーションBのVCM
イコライザー、そしてコーラスのVCMフェーザーがそれ。
ペダルワウを使うためには、別売のヤマハFC7を本体リアパ
ネルの[FOOT CONTROLLER 2]端子に接続しよう。ペダ
ルをリズムに合わせて動かすことによってワウがかかり、さ
らにファンキーな音色になるはずだ。
さて、クラビの演奏はリズムを刻む左手と右手のコンビネー
ションが重要。一般的にドラムのパラディドル(交互奏法)み
たいに弾くのが定番だ。ただし、このボイスにはあらかじめ
パラディドルっぽい演奏がアルペジオでプリセットされてい
るので、 [ARPEGIO ON/O ] (①)を押してランプを点灯さ
せてから下記の譜面を参考にしてアルペジオを鳴らしてみよ
う。 [SF1] 〜 [SF5] でアルペジオ1〜5を切り替える
と、5種類の演奏パターンを切り替えられるぞ。
【使いこなそう!!】
クラビの音色を変更するには、ノブ1とノブ2を操作してフィ
ルターのカットオフとレゾナンスを操作しよう。
[TONE1]ランプ(①)が点灯している状態では、ノブ1(②)が
カットオフ、ノブ2(③)がレゾナンスとなる。この2本でク
ラビの音色を大きく変化させることができる。変化が大きい
ので音を鳴らしながら少しずつ回すのがコツだ。
 オルガン系の音はこう使え!!
オルガンは、ジャズ、ロック、ポップスなど幅広いジャンル
で、基本的な楽器として定着している。一般的にオルガンと
いえば、トーンホイールで発音しドローバーで音作りをする
オルガンの音色を指す。MOTIFXSにはオルガン系の音色が
多数入っているが、ここではジャズ系のオルガンとロック系
のオルガンを1つずつ紹介しよう。
【この音を弾け!!】
PRE1:098(G02) AllBarsPercAF1&2
8本のコントロールスライダーをまるでドローバーのように
動かして音作りできるオルガンボイス。コントロールスライ
ダー1(左)から順に8'(フィート)、51/3'、4'、22/3'、2'、
1 3/5'、1 1/3'、1'の8種類の新規ドローバー波形が割り
当てられている。16'こそ無いものの、ASSIGNABLE
FUNCTION[1]/[2](①/②)で2nd及び3rdパー
カッションが発音し、MW(モジュレーションホイール)でロー
タリースピーカーのslowとfastが切り替わるなど、まさに
オルガンならではの音作りが可能で、パーカッションをオン
にすると1'が鳴らなくなるという細かい配慮もある。このボ
イスはプリセットのままで弾いていてはもったいない。8'と
1'だけのゴスペル風サウンドや、8'、5 1/3'、4'に3rdパー
カッションを加えたジャズオルガン風サウンドなど、ドロー
バー風の音作りをいろいろと試してみよう。ちなみに、曲の
盛り上がりではフルドローバー(すべてのスライダーを上げる)
でロータリースピーカーをfastにし、最高音までグリッサン
ドする定番ワザも試してみよう。
【指先で体感せよ!!】
PRE1:091(F11) OnRoadAS1
ディープパープルに代表される歪み系オルガンサウンド。こ
のボイスでは、歪み系エフェクトをロータリースピーカーの
後ろに置く事で、ホーン、ロータの位置によって歪み方が変
わり、よりリアルな感じになっている。下記の「使いこなそ
う」で紹介しているように、ノブ7で歪みの量を調節できる
ようになっている。さらに、コントロールスライダー1〜4
でオルガンの音作りができ、ASSIGNABLE FUNCTION
[1] でロータリースピーカーのslowとfastが切り替わる
など、オルガンの基本はしっかりと押さえられている。
さて、操作に慣れたら下記を演奏してロックオルガンの雰囲
気を感じてみよう。ASSIGNABLEFUNCTION[1]を
タイミングよくON/OFFして、ロータリースピーカーの
slowとfastを切り替えよう。
【使いこなそう!!】
歪み系のオルガンでは、歪みの量がサウンドの決め手となる。
そこで、次の方法で歪みの深さと音量を調節しよう。
ボイスを選んだ状態([TONE1]ランプ(①)が点灯している状態)
で、ノブ7(②)で歪みの深さが、ノブ8(AS2)(③)で歪み音の
音量が調節できる。
なお、[TONE1]ランプが点灯している状態のノブ7/ノブ8は、
ASSIGN(アサイナブルノブ)1/2と呼ばれ、画面では省略形
(AS1/2)で表示される。このノブに効果的な機能が割り当
てられているボイスは、ボイスネームにAS1/2の文字が付
いている。
[TONE1]ランプ(①)が点灯していない場合には、
[SELECTEDARCON
(④)を何度か押して点灯させよう。
ARPEGGIOON/OFF
SF1 SF5
21
1
1
8'
4' 2'
51/3' 22/3 13/5'
11/3'
1'
SELECTEDPARTCONTROL