User Manual
70 サラウンドの基礎知識
付録
サラウンドとは?
映画館で体験する、音に包み込まれるような感覚。これは観客のま
わりをたくさんのスピーカーで取り囲み、それぞれの方向から音を
出すことによって作り出しています。このように、前方のスピー
カーだけではなく、聴き手の側方や後方にもスピーカーを設置し、
よりリアルな音の臨場感を再現する技術を「サラウンド」技術と呼
びます。
音の方向や音質を正確に再現するためには、スピーカーそれぞれに
別の音を出す必要があります。これらを「チャンネル」と呼びます。
家庭用のサラウンドシステムでは、以下のような 7 つのスピーカー
とサブウーファーにより、サラウンドを実現するシステム(7.1 チャ
ンネルスピーカーシステム)が一般的です。
上記のように、たくさんのスピーカーを設置することで音の臨場感
を再現することができますが、家庭のリビングルームにたくさんの
スピーカーを設置するのは大変です。そこで、本機は「デジタルサ
ウンドプロジェクター」技術を使用し、スリムなセンターユニット
とサブウーファーだけでリアルなサラウンドを実現しました。
デジタルサウンドプロジェクターと
は?
デジタルサウンドプロジェクターは、均等に配列された小口径のス
ピーカーを個別に制御し、適切に処理した音声信号を各スピーカー
から出力して合成することにより、強い指向性を持った音(音声
ビーム)を出力します。
強い指向性を持った音はかたい壁に当たると反射します。デジタル
サウンドプロジェクターはフロント(左 / 右)、センター、サラウン
ド(左 / 右)の 5 チャンネル分の音声ビームを、壁面の反射を利用
して聴き手にとって適切な方向から音が届くように出力することで、
側面や背面にスピーカーを置かずにサラウンドを実現する技術です。
また、フロントチャンネルとサラウンドチャンネルの信号を組み合
わせることにより、さらに 2 チャンネルをつくり出して 7 チャンネ
ルにすることで、よりチャンネル間のつながりの良いサラウンド感
を演出することも可能です。
ヤマハの音声技術
本機には他にもヤマハの優れた音声技術を活かした機能を多数搭載
しています。
携帯音楽プレーヤーや PCなどで使用される圧縮オーディオフォー
マット(MP3、AACなど)で不足しがちな高音域と低音域を拡張・
強調する技術です。これにより圧縮音声をより音楽的にダイナミッ
クにお楽しみいただけます。
ヤマハが所有する豊富な音場の実測データに基づく音場技術を応用
し、音のスケールや奥行き、音量感を補正することで、ご家庭で映
画館のような臨場感あふれる視聴体験を実現する技術です。
ヘッドホンで音場を仮想的に再現する技術です。ヘッドホンでも自
然で立体感あふれるサラウンド感をお楽しみいただけます。
サラウンドの基礎知識
標準的な 7.1 チャンネルスピーカーシステム
フロントスピーカー
サブウーファー
センター
スピーカー
サラウンドバックスピーカー
サラウンドスピーカー
デジタルアンプ
スピーカー
狙った方向に
音のビームを飛ばす
ミュージックエンハンサー
シネマ DSP
バーチャルサラウンドヘッドホン
本機のサウンドイメージ